呪術的な要素
身体を取り締めるものである帯は、生命にかかわる呪術的な力をも有すると考えられ、妊婦のために特別のものが用意されるなどしたほか、様々な伝承において、力帯(ちからおび)やそれに類する装身具が広く見られる。北欧神話におけるトールの神話もその一つに挙げられる。もともと、ウェイトリフティングなどのパワー系競技において、腰椎の保護などの機能も併せ、専用のベルトを装着する選手が多いように、適切に巻かれた帯は身体能力を発揮する一助となる。このことは古くより体験的に知られており、神秘的な力として、その強力なものが口承の中に現れてくるのであろう。
日本では帯初めという通過儀礼もあった。これは、着物の付け紐を取り、幼児が初めて帯を結ぶ儀式である。もとは室町時代に貴族の間で始まったと考えられる。地方によっては両親が執り行わず、帯親と呼ばれる人物に託す。これは名付け親などと同様の、仮親の一種と分類される。